計算機(電卓)について

平成17年度(第55回)税理士試験受験案内に計算過程をさかのぼって確認できる機能をもった計算機は使用不可と書かれました。

これについて、『計算過程をさかのぼって確認できる』という表現があいまいであるため受験生が混乱しています。
専門学校を含め、国税庁や国税局に問い合わせをした人たちによると、応対に出た人間により答えが違うなど、決まりを作った機関自体がはっきりした基準を持っていない又は周知されていない印象を受けます。

基準となるべき規則基準はあくまでも受験案内に書かれている内容だけです。
記述があいまいなものについては受験生に不利益がないように解釈するのが法治国家です。
後日、国税庁のWebサイトや個別問い合わせでどう返答しようが、今回受験する受験生には関係ありません。

国家試験たる税理士試験は公平であるべきであり、基準は統一すべきで国税局ごとに対応が異なる、さらには試験官ごとに対応が異なることにより受験生に不利益を与えるようなことはあってはならないことです。
まして、現場の1試験官の判断で受験前に失格にするようなことはあってはなりません。

試験開始前の試験官が行う注意事項の試験会場内での私語等についてはその場で対応できることであり従うことができる事項ですが、受験生が持ち込む筆記具や計算機についていきなり試験会場で禁止といわれても従えません。

受験心得の意図するところは不正のない受験、公平な受験であるので、その観点から内容を解釈すべきと思われます。
シャープの一部の機種にある『アンサーチェック』機能は、直前に計算した計算結果と今回計算した計算結果が同じであるかどうかを表示できる機能であり、計算過程は確認できません。
カシオの『検算』機能は押したキーを記憶し、直前計算した時と異なるキーを押すと警告音で知らせるため、『計算過程をさかのぼって確認できる』ともいえます。
そもそも、音が出る時点で使用禁止に該当しますが。
(カシオについてはWebサイトで確認しただけで実際に使っていないので音が出ないようにすることができるのかもしれません。)

ただ、これらは単に一度計算したものをメモして、2回目と照合するということをするだけのことで、プログラムにより税額が計算できるような機能ではないので禁止するような機能ではないと思われます。
プログラムが自動で計算する税込み税抜き機能は良くて、一度自分で入力した計算結果と2回目に自分で入力した計算結果が照合できる機能がだめという根拠がありません。

おそらく、『アンサーチェック』とか『検算』という言葉を聞いただけで何かプログラムが正しい答えを出してくれると勘違いしたそろばんしか使ったことがない爺さんが『だめだ』と言い出し、周りにいる誰もがやれやれと思いながら正しいことを教えてあげる気力がないためこういうことになったんでしょう。

どうしてもこれらの機能を禁止するのであれば、事前に受験案内によって具体的な機種名等を公開するか、試験場で全受験生に同じ計算機を貸し出し、本人持参を認めないようにするとかいう納得できる対応をしてほしいものです。
もちろん、今回は『事前』の周知がないので受験前から失格ということはあってはならないと思います。

もしも失格にするのであれば、全会場で事前にすべての受験生の計算機をチェックし、該当する計算機を使用する受験生のリストを作り、それらの受験生すべてに間違いなく同じ処分が与えられるようにすべきです。
たまたま試験官の目に付いた受験生だけが失格になるようなことがあった場合、公平な試験とはいえなくなります。

万一、この件について今回の試験で一部の受験生が失格等の不利益を被った場合、私たち受験生は声を大にして抗議します。


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顛末

7月13日にこのコラムを作成したところ、翌14日に国税庁がWebサイトにおいて税理士試験に使用できる計算機の取扱いについてを公表。
1回目と2回目の計算結果が同じかどうかだけがわかるシャープのアンサーチェック機能は問題なし、ということです。
メインBBSで個別問い合わせの際に具体的に駄目だといわれたなどとの情報がありましたが、それらの情報が嘘や誤解でなければ、騒ぎが大きくなったことであわてて見直しをしたということになりますね。
当サイトでのメインBBSでの話題やこのコラム、署名などから、この対応までの期間を考えると、少なくともこのコラムが影響を及ぼした可能性は低いですが、受験生の声を形にして経過がわかる形で結末を迎えることができたのは良かったと思います。
個人としては、しょうがないと文句も言わずに言われたとおりにするのではなく、自分の意思表示ができたことで満足しています。


ところで。
今回の件は、計算過程をさかのぼって確認できる機能について大原が国税庁に確認をした結果、アンサーチェック機能は不可という回答を得て受験生に通知したことが事の発端です。
ところが、結末はアンサーチェックは可。
国税庁、国税局の担当者によって回答が異なっているグレーゾーンなのに国税庁よりも積極的に『使用できない』とアナウンスするのはミスリードではなかったでしょうか。
また、アンサーチェックが不可の可能性がでた時点で、大原は国税庁に抗議し、現在抗議している旨を受験生に知らせるような心意気はなかったんでしょうか。
受験生についても、国税庁に従うことを前提とした戸惑いや嘆きが多かったように感じられました。
また、当コラムについても抗議ではなく嘆願の方が良いのでは、という意見もありました。


決まりがどうあろうと、周りがどうあろうと、自分のこれまでの人生で築き上げた『正しいこと』に自信を持って、無駄だと思っても意見を言い、行動をする、ということはカッコつけたことだったり逆にカッコ悪いことだったりアウトローなことなんでしょうか。
この件、このサイトに限らず、諦めの早い人、無関心な人が増えて一部の声の大きい人の好き放題に世の中が傾いているような気がします。
議論と罵倒、抗議と言いがかり、意見と陰口の区別がつかないやりとりも実生活で感じることがあります。

話がずれてきました。
ここらでやめときます。

怒り、安心、うれしさ、がっかりが入り混じるここ数日でした。


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